2013年8月1日施行

第32条

ドライビングで意識すること


正式発表前だったS2000をホンダテストコースで全開インプレ! 希少なテスト車だけに、ホンダの担当者さんの額からは汗が・・・
もちろん絶対に壊さない確信があってこそ、思いきって出来ることだけど、スポーツカーのインプレは全開走行なくして語れない  


 よくぞここまで読んでくれました! という感じで第32条。今まで面倒な話とか、説明が不十分だったり、我慢して読みつづけるの大変だったでしょ。「前のは読んでないから関係ない」って? それもいいでしょう。でもここからは余計な説明はなしに具体的に難しい専門用語で書いたりするかもしれないから、予習なしの方は少し頑張らないとね。「ドライビング」を伝授するのって、読者のクルマを運転する筆者の横に乗っていただいて「クルマの状態を客観的に判断するから、そのうえで乗り方考えよう。どうやって運転するのか見ててね」というのが一番簡単。でも実際には、まず最初に助手席でじっと生徒さんのドライビングをチェックする。シロートさんの助手席に乗る立場としてはリスキーだけど、かなり短時間で効果が出る。本当は面倒な理屈を書くよりもベストなのだけど、関東の方ばかりでもないし、なかなか機会の出来るものではないから、書くしかないし、読んでもらうしかないかな。
 レッスンの時に筆者のドライビングで意識的にやることは、アンダーステアやオーバーステアを故意に出して走ること。それによって短時間で乗ったクルマの特性を探ることが出来る。きれいに走るとかタイム出すとかは二の次。例えば遠く離れて塩見せられて「どのくらい甘いですか」と聞かれたら「塩辛いです」とは答えられない。はじめて目の前で見たクルマの良し悪しや、乗り方を聞かれても一般論でしか答えられないから、間違って「塩は甘い」と言ってしまうかもしれない。
 ではドライバーは何を意識して「ドライビング」すればよいのだろう。楽しむことが基本だから、最も大切なのはクルマを壊さないことだ。壊さないために、最も大切なのは無理しないこと。簡単そうで難しいよね。無理しないと色々なクルマの挙動わからないし、遅く走るの悔しい人って多いでしょ? ドライバーが無理しないのと同時に、クルマにも無理させてはいけない。絶対に見なければいけないのは水温計(空冷車除外)、油温計などの温度センサーだ。それとタコメーター。もしタコメーターが装着されていないクルマならば「ドライビング」には必需品だから、必ず装着しよう。エンジンのコンディションを知ることなしに、サスペンションの良し悪しを言うこと、ドライビングのウンチクを語ることなど出来ない。メーターチェックに慣れるコツは、サーキットを走る時だけスピードメーターを見えなくしてしまうことかな。スピードメーターの上にガムテープ貼っちゃう。そうすれば必ずタコメーター見るから。ではメーターチェックが完璧であることを前提に、ドライバーが意識しなくてはいけないこと。いつどこで何速ギヤでエンジン回転数はいくつなのか? ブレーキを踏むコーナーと踏まないコーナーでのクルマの挙動差、最高速度からのブレーキ性能、コーナー入口、途中、出口のステアリング特性を説明できること。これだけの情報を常に意識することがドライバーの最低条件。ただし速く走りたい人だけの話。楽しみたいならクルマを壊さないように気をつけるだけで十分だよ。

ドラテク皆伝第33条

ドラテク皆伝第31条

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